ふつうのつわりの重さや食べ物の好みで、赤ちゃんの性別はわかりません。ただし、入院が必要なほど重いつわり(妊娠悪阻)については、女の子を妊娠している割合がやや高いという研究があります。とはいえ差は小さく、一人ひとりの性別を当てる方法にはなりません。この記事では、つわりにまつわるジンクスと、研究でわかっていることを分けて整理します。
つわりと性別のジンクス:よく聞く言い伝え
つわりのジンクスは、「重さ」と「食べ物の好み」の2種類に分かれます。言い方は人によって逆のこともあります。
| ジンクス | 言われていること |
|---|---|
| つわりの重さ | ひどいと女の子、軽いと男の子 |
| 食べつわり・吐きつわり | 食べつわりは男の子、吐きつわりは女の子 |
| 酸っぱいもの | 欲しくなると男の子 |
| 甘いもの・果物 | 欲しくなると女の子 |
| 肉・ジャンクフード | 欲しくなると男の子 |
| 1人目と2人目でつわりが違う | 性別が違う |
このうち研究で調べられているのは、ほぼ「つわりの重さ」だけです。食べ物の好みと性別の関係を確かめた研究は見当たりません。
研究でわかっていること:重いつわりと女の子
研究で傾向が見つかっているのは、入院が必要になるほどの重いつわりです。スウェーデンの研究チームは、妊娠初期に重いつわり(妊娠悪阻)で入院した妊婦さんから生まれた赤ちゃんに、女の子が多かったと報告しました(Asklingほか、Lancet、1999年)。複数の研究をまとめた2011年の分析でも、妊娠悪阻の人が女の子を出産する確率はやや高い(オッズ比1.27)という結果でした(Veenendaalほか、BJOG、2011年)。
この結果を読むときは、次の3点に注意が必要です。
- 対象は「入院が必要なほど重いケース」。 ふだんのつわりが重いか軽いかの話ではありません。
- 差は「やや」。 重いつわりの人からも、男の子はたくさん生まれています。
- 理由はまだはっきりしていない。 傾向があることと、つわりで性別を見分けられることは別の話です。
つまり「つわりがひどいから女の子」と考えても、外れることは十分にあります。
そもそも、つわりはとても個人差が大きい
性別を当てにくい理由のひとつは、つわりそのものが人によって大きく違うことです。MSDマニュアルによると、妊娠中に吐き気や嘔吐がある妊婦さんは80%にのぼり、症状は妊娠初期(第1三半期)にもっとも多く、もっとも重いとされています(MSDマニュアル プロフェッショナル版「妊娠初期における悪心および嘔吐」)。英国のNHSは、多くの場合16〜20週ごろまでにおさまると案内しています(NHS)。
同じ人でも、1人目と2人目でつわりがまったく違うことはよくあります。その違いを性別に結びつけたくなるのは自然ですが、つわりの重さは体調や妊娠の経過、生活の状況など、いろいろな要素で変わります。
食べ物の好みのジンクスはどこから来た?
「酸っぱいものなら男の子」といった食べ物のジンクスは、研究で裏づけられたものではありません。つわりの時期は、においに敏感になったり、さっぱりしたものしか受けつけなくなったりと、食べられるものが偏りがちです。酸っぱいものやフライドポテトなど、「これなら食べられる」という人が多い食べ物がジンクスに入っている、と考えると自然です。
好みが変わること自体は珍しくありません。ジンクスより大切なのは、食べられるものを少しずつ口にして、水分をしっかりとることです。
「当たった」と感じるのはなぜ?
つわりのジンクスが「当たった」という声が多いのは、性別が2択だからです。どんな方法でも、だいたい半分は当たります。しかも言い伝えには「重いと女の子」と「吐きつわりは女の子」のように似たものがいくつもあるので、どれかひとつは当たったように感じやすくなります。
もうひとつは、記憶のかたよりです。当たった話は「やっぱりそうだった」と人に話したくなり、外れた話は忘れられていきます。ネットの体験談に「当たった」が多く見えるのは、そのためでもあります。
こんなときは、ジンクスより病院へ
つわりのジンクスを楽しむのは自由ですが、次のようなときは性別の話はいったん置いて、早めに病院に連絡してください。
- 水分も食べ物も24時間以上とれない(NHS)
- 吐いたものに血がまじる
- 尿が少ない、ふらつく、体重がどんどん減る
妊娠悪阻は、脱水や体重減少を起こす重い状態です(MSDマニュアル)。「つわりだから仕方ない」とがまんしすぎないことが大切です。
性別がわかるまでの楽しみ方
つわりのジンクスは、つらい時期の気分転換くらいの気持ちで楽しむのがちょうどいいでしょう。たとえば「つわりのメモ」をつけておき、食べたくなったもの、においがだめだったものを書き残しておくと、性別がわかった日に答え合わせができます。あとから読み返すと、妊娠中の記録としても残ります。
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パパ・ママからよくある質問
つわりがひどいと女の子というのは本当ですか?
入院が必要なほど重いつわりでは、女の子の割合がやや高いという研究があります。ただ差は小さく、つわりの重さで性別を見分けることはできません。
つわりがないと男の子ですか?
そう言われることはありますが、裏づける研究は見当たりません。つわりがほとんどない妊婦さんもめずらしくありません。
食べ物の好みで性別はわかりますか?
わかりません。食べ物の好みと性別の関係を確かめた研究は見当たりません。
1人目と2人目でつわりが違うのは性別が違うからですか?
性別とは関係なく、同じ人でも妊娠ごとにつわりが違うのはよくあることです。
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