赤ちゃんの目の色は、生まれた瞬間に完全に決まっているわけではなく、生後しばらくのあいだに少し濃くなったり、見え方が変わったりすることがあります。目の色は虹彩(黒目のまわりの色のついた部分)のメラニン色素の量で決まり、そのメラニンの量には複数の遺伝子が関わっています。新生児の目がグレーっぽく見えても、多くは光の加減や色素の少なさによるもので、成長とともに落ち着いていきます。
新生児の目の色は「青」とは限らない
「赤ちゃんはみんな青い目で生まれる」という話を聞くことがありますが、研究ではそうではないことがわかっています。
アメリカ・スタンフォード大学の関連病院で生まれた正期産の赤ちゃんの虹彩を撮影して調べた研究(NEST研究)では、画像を判定できた192人の内訳は次のとおりでした(Ludwigほか、Acta Ophthalmologica、2016年)。
| 生まれたときの目の色 | 割合 |
|---|---|
| 茶色 | 63.0% |
| 青 | 20.8% |
| 緑・ヘーゼル | 5.7% |
| 判定できない | 9.9% |
| 部分的に左右・部位で色が違う | 0.5% |
この研究はさまざまなルーツの赤ちゃんを含むアメリカの病院のデータで、日本人だけを調べたものではありません。それでも「生まれたときから茶色の目の赤ちゃんがいちばん多い」という結果は、「全員が青い目で生まれる」という説が正しくないことを示しています。
グレーや明るい色に見えるのはなぜ?
新生児の目がグレーや青みがかって見える理由として、主に次のようなことが考えられます。
- 虹彩の色素がまだ少ない。 目の色は虹彩のメラニンの量で決まります。生まれた直後は色素が少なめで、成長とともに色が濃くなる赤ちゃんもいます。
- 光の当たり方。 病院の蛍光灯、窓からの自然光、スマホのフラッシュでは、同じ目でも色の見え方がかなり変わります。
- 目をしっかり開けていない。 新生児はまぶたがむくんでいて、目が半分しか開いていないことが多く、黒目の色がわかりにくくなります。
日本人の両親から生まれた赤ちゃんでも、生まれた直後はグレーっぽく見え、あとから濃い茶色に見えてくることがあります。ただし、何か月でどのくらいの赤ちゃんの色が変わるかを、日本人を対象に示した大規模なデータは見当たりません。目の色の変化には個人差があると考えておきましょう。
目の色の遺伝:「茶色が優性」だけでは説明できない
目の色は、ひとつの遺伝子で決まる単純な形質ではありません。アメリカ国立医学図書館のMedlinePlus Geneticsでは、目の色に最も大きく関わる遺伝子として15番染色体の OCA2 と HERC2 を挙げ、ほかにも影響の小さな遺伝子が複数あると説明しています(MedlinePlus Genetics)。
同じページでは、「茶色が優性、青が劣性」という昔の説明は単純すぎるとし、まれではあるものの、青い目の両親から茶色の目の子が生まれることもあると書かれています。
日本人の両親であれば、ふたりとも濃い茶色の目であることがほとんどで、赤ちゃんも茶色の目に落ち着くことが多いと考えられます。ただ、同じ「茶色」でも、明るい茶色からほぼ黒に見える濃い茶色まで幅があります。
ハーフの赤ちゃんの目の色はどうなる?
片方の親が日本人、もう片方が青や緑の目の場合、赤ちゃんの目の色は「茶色」「青」と二択で考えないほうが自然です。
- 目の色には複数の遺伝子が関わるため、両親の中間のような色や、どちらとも少し違う色になることがあります。
- 祖父母の目の色も手がかりになります。茶色の目の親でも、青や緑の色に関わる遺伝子を受け継いでいることがあるからです。
- 生まれた直後は明るい色に見えても、数か月のうちに濃くなることがあります。生まれてすぐの色で「青い目の子だ」と決めつけないほうがいいでしょう。
確率を計算するサイトもありますが、多くは単純なモデルで計算しているため、参考程度にとどめるのがおすすめです。
両親の写真から、赤ちゃんの目元を想像してみる
ふたりの目元がどう混ざるか想像して楽しみたい人は、SeeMyBabyの パパ・ママの写真から赤ちゃんの顔を想像する機能 を使う方法もあります。パパとママの写真を1枚ずつ選ぶと、ふたりの面影をまぜた新生児のポートレートを約1分で描きます。作成前の質問で「目元」を気になるポイントに選ぶこともできます。
アプリは写真の見た目をもとに想像図を描くもので、遺伝子を調べたり、目の色を当てたりするものではありません。「こんな目元かな」と話すきっかけとして楽しんでください。肌の色の遺伝は 赤ちゃんの肌の色は遺伝で決まる?、顔全体の似かたは 赤ちゃんは誰に似る? で解説しています。
目の色より気にしてほしいサイン
目の色が変わること自体は心配いりませんが、次のような場合は目の色の問題ではないので、小児科や眼科に相談してください。
- フラッシュ撮影した写真で、黒目の中心(瞳孔)が赤ではなく白っぽく光って写る。MedlinePlusでは、網膜芽細胞腫の症状のひとつとして、フラッシュ写真で目が白く光ることを挙げています(MedlinePlus:網膜芽細胞腫)。
- 左右の黒目の色や大きさがはっきり違う。
気になる写真があれば、そのまま健診に持っていくと説明しやすくなります。成長とともに顔がどう変わるかは 赤ちゃんの顔はいつ変わる? もどうぞ。ほかの記事は SeeMyBabyブログ から読めます。
参考資料
- Ludwig CA, Callaway NF, Fredrick DR, Blumenkranz MS, Moshfeghi DM. What colour are newborns’ eyes? Prevalence of iris colour in the Newborn Eye Screening Test (NEST) study. Acta Ophthalmologica 94(5): 485–488 (2016). 概要を読む
- MedlinePlus Genetics. Is eye color determined by genetics? ページを読む
- MedlinePlus. Retinoblastoma. ページを読む
パパ・ママからよくある質問
日本人の赤ちゃんでも、青い目で生まれることはありますか?
生まれた直後に目が青っぽく、グレーっぽく見えることはありますが、日本人の両親の場合、多くは成長とともに茶色に落ち着きます。見え方は光の当たり方にも大きく左右されます。
赤ちゃんの目の色はいつ決まりますか?
生後しばらくのあいだに色が濃くなることがありますが、時期には個人差があります。何か月で確定するという決まった目安はないと考えておきましょう。
両親とも茶色の目なら、子供も必ず茶色ですか?
多くは茶色になると考えられますが、目の色には複数の遺伝子が関わるため、「必ず」とはいえません。明るい茶色か濃い茶色かといった違いも出てきます。
ハーフの赤ちゃんの目の色は確率で計算できますか?
単純な確率計算は、ひとつの遺伝子で決まるモデルを前提にしていることが多く、実際の遺伝とは合いません。祖父母の目の色も含めて、いろいろな可能性があると考えるのが自然です。
他の言語: العربية · Deutsch · English · Español · Français · Italiano · 한국어 · Português (Brasil)





